エイカンの太極拳修行記 in 福岡 【見学当日:入門決意編】

えー前回の記事で『精神的な部分まで含めて相手を服従させる』と書きましたが、
正しくは 【相手を「屈服」または「納得」させる】 でした。
辞書で調べてみると、確かにそうでなければ意味が通らないですね…
「自分なりの解釈」という落とし穴には今後も気をつけねばと思います。
さて精神論についてですが、ワタクシも最初から懐疑的だったわけではありません。
どちらかと言えばそのテの話や本は好きな方でした。
しかし、社会人になって組織というものと関わりながら仕事をしてみると、「精神論や道徳論は一体誰のためのものか?」という疑問が湧いてきました。
これは個人的な考えですが、精神論が単に体裁の為、あるいは組織管理者側のメリットの為に利用されるケースがあまりにも多い気がするのです。(もちろんそれが全てとは思いません)
武術においても精神的な部分がないがしろなのはどうかと思いますが、言い訳的キレイ事の精神論を無理やり掲げさせられるのもこれまたどうかと思っていました。
しかし滴水先生のお話は、私の心配とは大きく違ったものでした。
滴水先生 『今の日本で武術を学ぶ人間というのは、傍から見ればハッキリ言って危ないヤツです。敬遠されてしまう事もあるでしょう。ですから細心の注意をもって、粗暴な振る舞いを慎むだけでなく、周囲に威圧感を与えたりすることも無いよう注意しなければなりません。』
滴水先生 『太極拳は、不誠実な者や悪用しそうな者には教えないことになっています。学ぶ者は心を正しく持つことが大切です。でも…この「正しさ」というのは立場でも変わるしナカナカに難しい。だから正しさを問われた時に判断を間違うことの無いよう、色々と勉強することも大事です。』
ご説明いただいた事は他にもまだありますが、それらは全て上達の秘訣(心構え)や、武術として太極拳を学ぶことで逆に不利益をこうむらない為の注意事項であるように思えました。
(もしここで、武道の達人が晩年に悟ったような境地をそのまま押し付けようとされたら、精神論アレルギーが発症して入門していなかったかもしれません)
このあたりの現実性・合理性も、太極拳らしいというか何と言うか、自分的にはすごく腑に落ちる感じがありました。(ワタクシがどこまで解釈できていたかは疑わしいですが)
このように色々とお話を伺ってみて、改めて太極拳法を学びたいという思いが強くなってきましたので、帰り際に入門希望の旨をお伝えしたところ、了承して頂くことができました。
滴水先生 『では来週から一緒に始めましょう。とにかく主体性を持って取り組むようにしてください。この主体性が何よりも大事です。』
「分かりました、よろしくお願いします」と言いはしたものの、主体性についてはまるで分かっていなかったことが後々ハッキリしてくるのですが…
ともかく、こうして恐る恐るではありますがエイカンの太極拳修行はスタートしたのでした。
(太極拳を始めたことは今のとこ家族にも内緒にしてあります)

2 Responses

  •  武術・武道に縁の無いごく一般的な方々にとっては、拳脚を打ち出したり、人を突き飛ばしたり投げ飛ばしたりねじ伏せたりの技術を学び鍛錬しているということは、たとえ本人がそれを意図していなくても、刃物を弄んでいるやんちゃな坊やたちや厄介なにいさんたちと、時に同じくらいのあるいはそれ以上の脅威や威圧感を与えてしまうことがあることを認識していなければいけません。
     ちゃんと認識した上でどうするのか?どうあるべきなのか?は、それからの選択です。
     人によっては、周りに脅威や威圧感を与えることで、事前にトラブルや危険を回避できるという抑止力的な考えもあるでしょう。
     ですが、当門と私の先生と私が選択いたしましたのは、一般の方々以上に身を慎むべきだという考え方です。
     日高先生は、
    「隠れてこそこそやっているくらいがちょうどいい!」とさえ言っておられました。
     ですが私も時々、特に套路などで夢中になりますと、周りから好奇の目で見られていても自分の世界にどっぷり浸ってしまって我を忘れてしまっていることがあります。
     実は、健身架の十三勢二十四式には、「周りに人目があるときのため」という隠れ蓑的な意図も少しあったりします。普通の体操的な安全・無害な太極拳とみなしてもらえればと(簡化太極拳の二十四式ができればよかったのですが、基本が違い過ぎて昔数手で挫折しました)。

  • 自分は腕っぷしの強さゆえに悩んだり苦しんだりした経験がないため、一般的な達人的武徳を説かれても意味が分からないというのが正直なところです。
    しかし、滴水先生の『学び鍛錬していること自体が脅威になり得るんだよ』というご説明を聞いて初めてハッと気付かせて頂いた感じがしました。
    あと近所の公園で九星式や八閃を行うのは少し気が引ける部分がありますし、進行方向に人が来ると気まずくなって中断したりすることもあるのですが…
    この点、十三勢二十四式は実際かなり気兼ねなく練習出来ると思いますデス。

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